小さい会社やお店が、創業してすぐに継続して売り上げを出すための集客方法(3)~お客様をフォローする
こんにちは行政書士で創業支援アドバイザーのセイケです。
さて、前回は企画書を書いて事業をどのように進めていくのかを考えることの大切さについてお話しさせていただきました。いよいよここからが本番です。
次にやるべきことは、来ていただいたお客様に対してフォローをするための下準備をすることです。
来ていただいたというのはネットであれば「アクセス」、リアル店舗であれば「来店」ですね。ところで「フォローをする」とはどういうことでしょうか?
お客様を「フォローすること」の重要性とは?
たとえばあなたが過去に資料請求など無料のサービスを申し込んだところから後日メールが届いていたりしていませんか?あるいはDMの場合でも同じように、自分が過去に商品やサービスを購入したところからDMが届くことがよくありますよね。これがお客様のフォローです。
このようにお客様の住所・氏名・電話番号・メールアドレスなどの個人情報をいただいて、定期的にメールや電話・DMなどでフォローしていくというのは何も大手の企業だけがやっていることではありません。あなたがこれから行う事業においても、十分使える方法であると言えます。
ではなぜお客様をフォローしなければならないのでしょうか?それは接触頻度を増やすことでお客様との関係性を親密にするためです。
たとえば化粧品の無料サンプルを請求してくれたお客様に対して3日後に「つけた感じはいかがでしょうか?」、7日後に「何かご不明な点はございませんか?」10日後に「お客様からのうれしい声をいただいています」とクロージングをかけて本商品の購入へ導きます。
さらに商品購入後も定期的にメールを送って接触頻度を増やすことでさらなるリピートを生み出すことができます。こうすることでお客様はあなたとの関係を特別なものとしてみてもらえるのです。言葉は悪いですが「お客様の囲い込み」をすることができます。
これがまだ始めたばかりの小さな会社やお店では、こうした集客方法はとても大事になってきます。これからそのための下準備を進めていきます。
これについてはネットで集客する場合とリアル店舗で集客する場合とでやり方が若干異なりますので、ご自身の行う事業と照らし合わせて準備を進めてください。
インターネットでお客様をフォローする場合
(1)お客様をフォローするためにしっかりしたホームページを作る
まずインターネットを使って集客しようとする場合、ホームページは必須のアイテムといえます。これは集客に限らずお客様をフォローしていくうえでも欠かせません。
ただ自分のところで取り扱っている商品やサービスを紹介するだけのホームページや、商品やサービスの安さばかりを訴求するようなホームページが多いのも事実です。
しかしそのようなホームページでは、来てくれたお客様に何度も来てもらえるかといえばそうはいきません。そのうえでお客様をフォローするために大事なポイントが2つあります。
まずは「お客様の感情に訴えかける」ことです。
何よりホームページではお客様の心を引き付けることをしないといけません。そうでないと「その他大勢」としてひとくくりにされて埋もれてしまうだけです。
お客様の感情に訴えかけるには「経営理念」や「大義」「志(こころざし)」といった形で、事業にかける熱い思いをしっかりと自分の言葉で書くことです。これがあることによって芯のある事業という認識をお客様に植え付けることができます。
そして顔写真やプロフィールも、お客様の感情に訴えるという意味では効果的です。本人の顔写真があればけっしてあやしいサイトではないですよ、という感じを植え付けることができます。
あと無料のものを何か用意しておくこともお客様には響きます。みなさんも無料のものは大好きですよね。いきなり商品を買うのはどうかという方でも無料ならいいかという感じで急にハードルが下がりますので、こういったところも積極的に取り入れていきましょう。
そしてもう一つは「信用力をつける」ことです。
インターネットの世界はウソとホントが入り混じっている世界です。その中で自分が商売をしていこうと思ったとき、いかにお客様に対して自分が信頼のおける人物であるかをはっきりわからせておく必要があります。
信用をつけるためには、きちんとしたホームページを作り、いきなりモノを売り込んだりしないといったことが必要ですが、そのほかに「お問い合わせをきちんとする」こともお客様の信用を勝ち取るうえではとても大事になってきます。
(2)お客様をフォローするために「メルマガスタンド」を用意する
お客様をフォローするためには「メール」を活用することは不可欠です。
メールというのは、お客様からメールを出してもいいよというお許しをいただいたうえで、自分から直接売り込みができるという利点があります。そういった特権を持っているのであれば使わない手はありませんね。
よくメールを書くのが面倒くさいからといって、あまり真剣にやろうとしない方もいらっしゃいますが、そういうことではいつまでたってもお客さまからの信頼は得られず、リピート客もこないまま延々と新規客を追いかけることをしなくてはいけなくなります。
そういう意味においてもメールでのお客様フォローはとても大事ですが、今までメールでのフォローをしたことがないという方も多いと思います。
まずあなたがやるべきことは「メルマガスタンド」を借りることです。メルマガスタンドとは、あなたが独自にメールを一斉配信ときに使用するツールのことです。
このメルマガスタンドを用意することで、あなたは2つのことを効率的にすることができます。まず一つは「自分からお客様に一斉に情報発信ができる」ことです。これはいうまでもないですね。
一斉配信メールとは、商品を買っていただいたときに送る「サンキューメール」のほか、定期的に自分の会社の情報を発信するときなどに使う「メールマガジン」、メール講座やお試し客のフォローをするときなどに使う「ステップメール」など、さまざまな使い方があるので用途に応じて選ぶことができます。
それともう一つは「顧客管理をする」ことです。多くの方はデータベースを作るときに自分でエクセルファイルなどに書き込むといったことをやる方もいらっしゃいますが、それでは面倒ですよね。
そこでこのメルマガスタンドの持つ機能としてあるメールアドレスのデータ管理を利用すれば簡単にお客様の名簿を管理することができます。
メルマガスタンドは配信数にもよりますが、1000アドレスくらいであれば月3~4千円くらいで用意することができますので、今のうちに用意しておくようにしてください。
(3)お客様をフォローするために「役立つブログ記事」を作る
そして顔写真やプロフィールにも通じるのですが、お客様のニーズに合ったコンテンツをブログでできるだけたくさん書くようにしてください。できれば100記事くらいは欲しいところです。1日1記事を心がけて続けてゆけばかならず将来実になります。
たくさん記事があることはお客様への信頼につながるし、SEO(検索キーワードで上位表示させるための施策)の面でも有利といえます。このときのブログ記事はかならずお客様の「お役立ち情報」にしてください。
たとえば花屋さんであれば「お花を長持ちさせる方法」「お花のコーディネートの方法」「シチュエーション別のお花の選び方」など自分のお客様のニーズに合わせたネタで、お客様の顔を思い浮かべて「その方が読んできっと役に立つだろう」という情報をその方に向けて書く感じにするのがポイントです。
実際正直なところここまででもかなり時間と労力はかかります。しかしこれをすることによって、「引き寄せの法則」が働いて自分が欲しいと思うお客さんに向けて電波を発信する状態になります。
その結果この電波をキャッチした方が自分と同じような匂いを感じ取ってくれて、お客様が自然にやってきてくれます。これはぜひやってみてください。
(4)お客様をSNSでもフォローする
最近ではtwitterやFacebook、instagramなどのSNSを利用して営業活動をしている経営者は多いです。このSNSでは、愛読書、最近見た映画の感想など自分のプライベートを前面に出してアピールします。ここでの目的はいかに自分の存在を知ってもらうかです。
たとえばFacebookの場合だと、趣味・食事・よく読む本などの写真とともに自分のコメントも付け加えたりします。ほかにもセミナーで講師をしている写真やボランティア活動や地域のお祭りに参加しているときの写真なども信頼感を植え付けるうえで効果的です。
これをすることでこの記事を見たお客様がよりシンパシー(親近感)を感じてくれて、コメントや「いいね」をつけてくれるので自身の「ファン化」にもつながります。
そして自分のブログの記事をアップしたときも「ブログ記事更新しました」という形でtwitterやFacebookに投稿してブログと連動させていくようにすれば尚効果的です。
リアル事業でお客様をフォローする場合
今まではネットでお客様をフォローする場合で話を進めましたが、リアル店舗の場合も同じような感じで進めていきます。リアルの場合であればたとえば
・お客様が入りやすいお店作り(きれいで明るい店内・トイレが掃除されている・店員は声が大きくて笑顔・入口に手書きのウェルカムボード・手書きのポップなど)
・販促物の用意(メニューチラシやパンフレットの作成・LINE@の開設・バースデーカードの用意)など
といったことを念頭に置いて考えてみるとよいかと思います。この場合もホームページを作ってネットとの集客も一緒にすることをおすすめします。
まとめ
このようにして「お客様の囲い込み」をするための下準備をしていきますが、ここまででもかなりの労力を必要とします。
ひとりだけでやる事業の方は正直大変ですが、その分見返りも大きいですから、歓喜のときが来ることを信じてじっくり下準備を進めていきましょう^^