コロナを機に進めたい!小規模事業者がすぐにできるIT化の5ステップ
こんにちは行政書士で創業支援アドバイザーのセイケです。
さてコロナもひとまず緊急事態宣言が解けたことで、いままでの生活をようやく取り戻しつつありますね。しかし以前のような売り上げに戻すのにはまだ結構時間がかかりそうです。
そこで、この空いている時間を利用して、今まで仕事が忙しくて手が付けられなかったことについて取り組んでみるのはいかがでしょうか?
具体的には「事業のIT化」です。
IT化というと一般的に大企業や売上1億円とかいったある程度の規模の会社だけと思われがちですが、小さい事業所でも進めていくべきだと思います。ではなぜ今こそIT化を進めておくべきなのでしょうか?
なぜ今小さな事業でもIT化をすすめておくべきなのか?
ところで、今回のコロナの影響で多くの事業者の方が「持続化給付金」や「特別定額給付金」「雇用調整助成金」など多くの給付金の申請手続きをされたことだと思いますが、正直とても大変だと感じたと思います。
ただ事業のIT化を進めていれば、あまり時間をかけずにできていたことがずっとアナログでやっていたために時間が余計にかかってしまったと実感された方も多いかと思います。
たとえば特別定額給付金のオンライン申請についても、国や自治体の整備が行き届かなかったせいで今も支給が遅れていますが、本来であればオンラインで申請してきた人はもっと早くもらえていたと思います。
実際、今後は、マイナンバーカードに銀行口座の登録情報も紐付けるということですから、そうなればもっと早くお金が支給されることになると思います。
また「持続化給付金」についても、今回はインターネットからでしか申込みができないといったことで、多くのインターネットを使えない事業者が申請サポートに殺到するなどの事態になってしまいましたが、インターネットでなければ多くの方に素早く給付金が行き渡らなかったと思います。
つまり、これからは確実にオンライン、IT化が進みますし、政府としてもその流れに沿って動いていることが今回の給付金の申請方法などを通じて分かったと思います。
そういう意味では、これから国や自治体への申請は「インターネット申請」がメインになってきますので、今までの紙での申請といったアナログのやり方だと、支援金の給付や許認可申請の結果などが迅速に行われず、結果いろんな面で経営に支障が出てくるといった恐れがあります。
そこで今まで「ネットは面倒くさい」や「ITはむずかしいから避けていた」という方に向けて、自分でできるIT化への準備作業というのを5ステップに分けてご紹介したいと思います。
もちろんこれがIT化のすべてではありませんが、最低限これらを準備しておくことが今後の事業のIT化につながりますので、まずはこの流れではじめてみましょう。
IT化への準備作業で具体的に今やるべきこととは?
IT化といっても大規模なものから小規模なものまでいろんな種類がありますので、まずは最低限やるべきことということからはじめてみましょう。
1、最新のインターネット環境を準備する
まずはやはりITを取り入れるための環境づくりから準備をはじめましょう。具体的には、パソコンやインターネット環境などは極力最新のものを取り入れるようにしていきましょう。
あまり安い中古のパソコンだとすぐに壊れたり、またOSが古かったりしたときに電子申請のときに適用外だとして対応できない恐れがあります。
基本的にはここ2、3年に製造されたパソコンであれば問題なく使えると思いますが、それ以外のパソコンについてはやはりウィンドウズなどのOSを最新のものに入れ替えておくなどのことはしておいた方がいいと思います。
2、会計ソフトを導入する
今まで事業での売上や経費の管理などの会計を「金銭出納帳」といった実際の帳簿に記入していた方は、これを機にパソコンに「会計ソフト」を導入することをおススメします。
会計ソフトといえば「弥生会計」をはじめ、いろんなところから出ていますが、やはり大手で実績のあるところのソフトの方がサポートもしっかりしているので安心できます。
会計ソフトを使えば、日々の取引をパソコンに入力するだけで「決算書」や「確定申告書」を自動で作ってしまうことができますので、あとがとても楽です。
さらにそのまま電子申請を使えば確定申告もネット上であっという間にできてしまうので、書類を用意したり税務署に提出しに行かなくても大丈夫です。
わたしも弥生会計を導入する前は、自分でエクセルで会計帳簿を作って、時間をかけて手書きで確定申告書を作って提出していましたが、今ではそういった苦労は一切なくなりました。
また今回の持続化給付金の申請でも、各月ごとの売上データがすぐに取り出せますので、添付資料もすぐに作ることができました。このように事業の効率化という点では、この会計ソフトを導入することは非常に大きいと思います。
3、所得税の確定申告の種類を「白色」から「青色」に変更する
これはIT化とは直接関係ないのですが、今所得税の確定申告を白色でされている方は、これを機に青色申告に変更されることをおススメします。
そして青色に変更された場合は、先ほどの弥生などの会計ソフトからe-Tax(電子申請)を通じて確定申告されることを強くおススメします。
なぜならこれをしないと「実にもったいない」といえるからです。
実は平成30年の税制改正で、令和2年の所得税確定申告から青色申告特別控除額が変更されて、青色の方でも現行の「65万円」から「55万円」に引き下げられます。
しかし、e-Taxによる申告(電子申告)又は電子帳簿保存を行うと、引き続き「65万円」の青色申告特別控除が受けられます。
つまり、今まで白色だった方は、会計ソフトを導入して青色に変えてさらにe-Taxによる申告(電子申告)をすれば、基礎控除額の「48万円」とあわせて合計「113万円」の控除を受けられることができるのです。これって結構大きいですよね。
このように会計ソフトを導入して申告を電子申告にして、今白色申告の方は青色に変えることで、申告準備の時短だけでなく節税にもなりますのでやらない手はないと思います。
4、マイナンバーカードを取得する
そして「マイナンバーカード」(個人番号カード)の取得です。これについては今特別定額給付金の支給をめぐって大変話題になっているのはご存じだと思います。
今少し落ち着いてきたところだと思いますので、持っていない方は今くらいから申し込みされてもいいのではないかと思います。
先ほども言ったように、特別給付金などの申請以外にも、e-Taxなどの電子申請や身分証明などでも利用することができますので、持っておいて損はないと思います。
そして個人口座の情報なども紐付けることで給付金が迅速に支給されるなどの効果も期待できますので、これからもっと利便性が高まるのは間違いないでしょう。
マイナンバーカードを取得したときは、カード情報をパソコンで読み取るための「ICカードリーダライタ」も、家電量販店に行けば2,3千円で売ってますので、あわせて購入しておいてください。
5、「IT導入補助金」に申請する
そのあとも、クラウド化であったり、テレワーク化であったりITツールの導入を進めていく場合は、やはりかかる額もそれなりの金額になってきます。
その場合は、国がIT化を進める事業主に対して一定の額を補助する「IT導入補助金」を申請されることをおススメします。
このIT導入補助金のITツールの範囲はかなり広くて、ソフトウェアやホームページなどいろんなものに対して適用されますので、まずは自分の事業で導入予定のITツールがあるかどうかを確認してみてください。
まとめ
というわけでいかがでしたか?これからの時代は、やはり経営者にとって好む好まざるにかかわらず「電子化」や「IT化」というのは避けて通れない道だと思います。
なので今のうちにITについてしっかりと基礎的な部分を事業に導入して、また勉強もしておくことで、事業の迅速化や効率化を図ることができて、そのあとの事業運営がずっと楽になってきます。
しかも先ほども言ったように、オンラインでの青色申告をした場合は、今後も65万円の特別控除が維持されるといったメリットもありますので、今手が空きがちなこの時期にこそ「事業のIT化」に取り組んでみてはいかがでしょうか?