「名代富士そば」の会長が語った「売れる飲食店の作り方」の極意とは。
つい先日テレビで「坂上&指原のつぶれない店」という番組をやっていました。
その中での1コーナーが実に興味深かったので、見てなかったという人も多いかと思うのでここでシェアしたいと思います。
内容は、つぶれかかっている飲食店の人から経営が厳しいので何とか立て直してほしいという依頼を受けて「経営の匠」と呼ばれる人がやってきてお店を立て直すというありきたりなものですが、その日の回では、経営の匠として登場したのが首都圏を中心にチェーン展開して年商100億円を出している「名代富士そば」の会長、丹道夫さんでした。
つぶれかかった居酒屋の状況とは?
今回番組に依頼があったお店は、相鉄線のとある駅からすぐの立地という場所にありながら、雑居ビルの2階にあることからまったくお客さんが入らず3カ月間赤字続きで大ピンチというダイニングバーからのものでした。
店長さんは人のよさそうな若い男性の方でしたが、少し元気がなさそうでした。その店長が一人で切り盛りするスタイルのお店でした。
で、特徴的なのは店内で、ボクシングのベルトやトロフィーなどがたくさん飾ってあるのです。というのも実はボクシングチャンピオンの八重樫東さんが共同経営者としてやっているお店だったのです。
しかし実際は八重樫さんが直接お店の経営にかかわることはほとんどないそうで、お店には週に1回来るか来ないかといった感じだと店長は語っていました。
そんなお店の普段の様子を見ようとお客に扮して丹会長がやってきて、お店の雰囲気や店長の接客、メニューや料理の味などを厳しくチェックしていました。
丹会長といえば、不採算店舗についてはすぐに店をたたむといった厳しい経営方針で有名な方ですので、このお店についてもやはりこれ以上は売上は見込めないからすぐにたたむべきというのかと思いました。
しかし丹会長から帰ってきた答えは意外にも「改善すればまだいける」。そのためには今のお店ではダメなので変えないといけないというものでした。
経営の匠・丹会長が打ち出した「改善点」とは?
丹会長がおっしゃるにはまず「客数を増やすこと」を至上命題として掲げました。
客数については、駅からすぐにある好立地で駅の乗降客数も十分であることから、会社帰りのサラリーマンをターゲットにした居酒屋にすることで集客増が見込めるということを打ち出したのです。
というのは駅の周辺は住宅地であることから、一杯飲んでから家に帰ろうかというサラリーマンにアピールするため、心が落ち着く雰囲気のお店作りをしないといけないと語りました。
しかしそのためには、店名をはじめ、内装、照明、看板などすべてを作り替えないとダメだということで、せっかく誇らしげに飾ってあった八重樫選手のトロフィーやベルトも「心が安らがないので食べようという気にならない」から撤去するようにとあっさり言われてしまいました(笑)
客単価については、料理はボリューム感があって、味も申し分ないということから客単価3000円は見込めると踏んで、入客数が増えるようになれば十分採算がとれるラインに持って行けると自信げに言っておられました。
しかしそのためには改装などのお金が必要になるということで、かなり店長さんは悩んでおられたようですが、結局はお金をねん出してきて丹会長の言うとおりにお店をリニューアルすると宣言しました。
丹会長からここで学んだこととは?
VTRはここで終わって、次回の予告としてお店の改装の様子が放映されていましたが、実際お店がどうなっていて、お客さんは実際に入ったのか今から気になるところです。
ところで今回の放送は、飲食業界を目指す人にとっては丹会長から学ぶことが多かったように感じました。要するに一流の経営者はどのようにして売り上げが見込めるお店を作ってきたのかその片鱗を見たような気がします。
丹会長のやっていることは実に明快です。それは「マーケティング」です。これができていないお店はやはりうまくいってないというところが多いです。
やり方としては、まずそのお店の立地場所や周囲の環境を調査したうえで「ターゲット」を絞ります。そのうえでそのターゲットに対してどうすればこの人たちに「お金を払って十分満足してもらえる価値」(今回のケースだと「サラリーマンの癒しの時間」)を提供できるかをしっかり考えます。
それが決まればいよいよその作ったコンセプトに基づいてお店作りを開始して、集客をはじめます。そのためにはやはり事前に自分のお店についてたくさんチェックしなければなりません。
番組内では、丹会長のお店をチェックするときのポイントとして30近くの項目を挙げておられましたが、ここまでしないと今の厳しい飲食業界を勝ち抜くことはできないというところがよくわかりました。
まとめ
これから創業して飲食業界をやっていこうと考えている方は、これから創業して実際ふたを開けてみるとまったく集客できなくて当てが外れたということはよくあると思います。
しかし丹会長がこのようにして自分のお店を一大チェーンにしたように、しっかりとマーケティングをして集客すれば、ちゃんとお店はやっていけるということです。
一番よくないのは「自分の料理は自信があるから、口コミですぐにはやるようになるから大丈夫!」といって何も対策をしないことです。
マーケティングをしっかりやって、そのうえで適切に集客を継続させることはどんなお店でも同じです。まずはマーケティングの基礎を習得してから集客しましょう!そうすればきっと売上げは上がって、結果的に息の長いお店を作り上げることができるはずです。